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A1.

潜在自然植生とは、ある土地からいっさいの人為的作用を停止したときに考えられる、その時点でその土地が支え得る最も発達した植生のことを指します。 ドイツのチュクセン教授が1956年に考案した考え方で、原植生(人為的干渉のいっさい無い原生自然状態の森や草原)、現存植生(いまある森や草原)に次ぐ、第三の植生概念と言われています。 ちなみに、わたしたちの身近な森や草原は、おおくの場合、さまざまな人為的干渉の下で成立している代償植生(その土地固有の原植生から取って代えられた植生)です。 空き地のススキ草原や山奥のスギ植林も、人の採草管理・開発行為によって生じた代償植生の一例です。
(研究部 矢ヶ崎)


 
A2.

人の踏み入れたことの無い熱帯奥地などの一部地域を除き、地球上のほとんどの地域は何らかのかたちで人間活動の影響を受けています。 そのため、これらの地域で土地本来の自然(原植生)を考えることは現実的にきわめて困難です。そこで、その土地のいま現在の環境(土壌・気候条件など、人為的作用の履歴の有無は問わない)とわずかながらに残存する自然の森や草原の状態とを照らし合わせながら、その土地本来の自然植生を明らかにしてゆくのが「潜在自然植生」推定のプロセスです。 近年、全国各地で「自然再生」の取り組みが活発になってきていますが、再生する「自然」とはいったいどのような姿なのでしょうか? その答えを明らかにしてゆくためのひとつの方法が、「潜在自然植生の推定」です。潜在自然植生を明らかにすることとは、失われつつある自然の機能やその土地固有の人と自然のつながりを明らかにすることでもあります。 その視点を大切にしてゆけば、人と自然の調和の下に成り立つ、その土地固有の生態系の保全・再生が実現されるのではないでしょうか。
(研究部 矢ヶ崎)





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